ブックタイトル金沢大学広報誌|アカンサス No.45

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概要

金沢大学広報誌|アカンサス No.45

SAKIGAKE PROJECT先魁プロジェクト宇宙のあらゆるメッセージから天体現象の包括的理解にプロジェクト名代表者宇宙?素粒子研究の融合によるマルチメッセンジャー天文学の推進理工研究域数物科学系米德大輔教授いまだ全容が解明されていない宇宙の真理。本プロジェクトは,独自に設計?開発する人工衛星に世界最先端の技術を駆使したX線やガンマ線検出器を搭載する「金沢大学超小型衛星」を中核に据えています。突発的に明るくなるX線天体の高感度検知によって重力波やニュートリノの発生源特定につなげるなど,天体現象をさまざまな観測手段で包括的に理解する「マルチメッセンジャー天文学」における第一級の科学的成果の創出を目指します。さらに,最新の観測データと素粒子理論に基づき,宇宙の進化や物理法則を理解する研究を推進。宇宙物理学と理論物理学を架橋し,国内外の研究者との連携により,マルチメッセンジャー天文学をけん引していきます。宇宙の真空環境や打ち上げ時の振動などへの耐性試験を行う金沢大学超小型衛星の熱構造モデル老化メカニズムの解明で社会的課題の解決へプロジェクト名代表者グリケーションを基軸とした老化研究の世界拠点の形成医薬保健研究域医学系山本靖彦教授生命活動に必須のエネルギー源である糖が生体分子と反応して最終糖化産物(AGEs)の形成に至る「グリケーション(糖化反応)」は,さまざまな疾病の発症や老化促進に関与します。本プロジェクトでは,グリケーション検出センサーやAGEsの受容体であるRAGEの働きを阻害する薬剤の開発を進めています。複雑なグリケーション反応の本態解明とその制御方法の開発を通して,健康寿命の延伸に資する研究を推進し,アンチエイジングにつなげます。また,本研究を進める中で,RAGEが社会性行動に重要な愛情ホルモン「オキシトシン」の脳内移行のトランスポーターとして機能することを発見しました。グリケーション研究が愛情研究へと広がりを見せています。グリケーション(糖化反応)H 1 OC2H C OH3HO C H4H C OH5H C OH6CH 2OH糖H+OCH3Oタンパク質/脂質/核酸AGEsAGEsがRAGEと結合AGEsRAGE糖がタンパク質などと非酵素的に反応するグリケーションが進行し,生体分子の構造変化や機能異常が発生究極の半導体材料「ダイヤモンド」で持続可能な社会をプロジェクト名代表者革新的デバイス創製を目指した次世代エレクトロニクス研究拠点の形成ナノマテリアル研究所德田規夫教授現代のエレクトロニクスに欠かせない半導体材料「シリコン」の性能を超える革新的な材料が求められています。そこで注目されているのが,熱伝導率などあらゆる物性で理論的に最も優れているダイヤモンド。本プロジェクトでは,独自に開発した世界最速の人工ダイヤモンド成長技術と加工技術を基盤に,低損失?高耐性パワーデバイスや室温動作が可能な量子デバイス?センサーへの応用に向けた研究を推進します。さらに,半導体集積回路の基盤であるウエハーの大型化?高速成長を可能とする技術開発により,高性能かつ安価な供給を実現させます。限りあるエネルギー資源の高効率な利活用で,経済発展と地球環境保全の両立に貢献していきます。人工ダイヤモンド成長装置(左)と世界初のトランジスタ「反転層チャネルダイヤモンドMOSFET」(右)645

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