ブックタイトル金沢大学広報誌|アカンサス No.37

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金沢大学広報誌|アカンサス No.37

Q.大学の社会貢 特集大学の社会貢献というと,皆さんはどのようなものを想像しますか? 学生の育成,新たな技術の開発,社会情勢の分析,附属病院での診療,学生のボランティア???。何となくは思いついても,そもそも大学の社会貢献とはどういうことなのか,なかなかピンとこない方が多いのではないでしょうか?そこで,今号では,本学の社会貢献活動を取り上げます。早速,本学の社会貢献担当 福森義宏理事に聞いてみました。昭和27年1月長崎県生まれ。大阪大学大学院理学研究科博士課程修了。理学博士。平成9年に金沢大学理学部教授。自然科学研究科長,理工研究域長などを経て,平成26年4月から現職。専門は生化学。福森 義宏理事(企画評価?情報?社会貢献担当)副学長私が答えます価値観の多様化,高度化する学習ニーズに対応し,一人一人の自発的な学習活動を支援するため,本学が,幅広い分野の講座を企画。市民の方々の生涯にわたる学びをサポートしている。※1 公開講座社会貢献は3本柱の1つ大学のチカラで地域を変革社会貢献は大学にとってどのような位置付けなのでしょうか?その答えはおそらく,平成18年の学校教育法の改正の中にあると思います。昭和22年に制定された学校教育法では,大学の主たる役割は教育と研究であり,社会との連携には触れていませんでした。ですが,平成18年の改正により,大学は教育?研究の成果を広く社会に提供することで,社会の発展に寄与するとの条項が追加されました。ここから,大学の社会貢献とは,その教育?研究活動によって得られるさまざまな知識や情報,技術を社会に還元することであり,「教育」,「研究」と並ぶ大学の重要な役割の1つとして位置付けられたことが分かります。つまり,大学のミッションが3本立てになったわけです。知識や情報,技術を社会へ還元するために,どんな取り組みが行われているのですか?大学の教育や研究も長い目で見れば十分な社会貢献なのですが,より直接的に社会への還元をめざした取り組みとしては,大学の知見を生かした国際協力や公開講座,産学連携,地域課題の解決,地域の人材養成などが挙げられます。最近では,雑誌や新聞などで大学の社会貢献活動が取り上げられることが多いようですが,なぜ注目が集まっているのでしょうか?地方では人口減と高齢化が進み,地方自体の活気がなくなっていくことが大きな問題となっています。一方で,大学には若者が集まり,知識や情報,技術を持つ研究者がいるということで,地元の行政や経済界などからは,大学のチカラで地域にイノベーション(革新)を起こしてほしい,ある意味,地方再生の拠点になってほしい,という声をよく耳にしています。そういった状況が注目を集めている理由の1つではないでしょうか。―理事―理事―理事※1 石川県では,10代後半で転入超過となるものの,20代で大幅な転出超過となっている。これは,石川県には高等教育機関が集積していることから,大学等進学時に県外からの転入が多いためと考えられる。なお,全国的には三大都市圏以外の地域では,10代後半も20代も大幅な転出超過となっている。※2 石川県での若者人口の状況500450400350300 283 291314338 330364392 399403469250200150100500平成18 平成19 平成20 平成21 平成22 平成23 平成24 平成25 平成26 平成271,0005000-500-1,000-1,500-2,000●石川県15~19 20~24 25~29758-1,645-291石川県の年齢階級別人口移動(平成27年)[出典:総務省「住民基本台帳人口移動報告」][人][年齢層]2 37

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