スウェーデン カールスタード大学

掲載日:2024-7-16

カールスタード大学

2022年度 ヨーロッパ〈スウェーデン〉

H.N.(学校教育学類英語教育専攻 4年)

僕は、金沢大学で英語教育を専攻していたため、北欧の英語教育を学びたいと思い、スウェーデンのカールスタード大学を選びました。学校教育学類では教育実習のある3年生と4年生の時期に留学に行くと1年留年になってしまいます。なので、私は約1年間の長期で留学をすることに決めました。

留学前の準備として必要だと感じることは大きく2つです。1つは英語力です。母国語が英語でない国に行ったとしても、留学生や現地の人とコミュニケーションを取るためには必ず英語が必要になってきます。英語はどれだけ資格試験で高い点数が取れていたとしても、スピーキングは日本人が不得意な分野かなと思うので、早めにオンライン英会話などをして話す練習をしておいた方がいいと思います。僕は直前の1か月だけしか練習せずに後悔しました。でも、留学先でも英語力は伸びるのでそこまで心配する必要はないです。カールスタード大学の場合にはIELTSOverallの点数がある程度ないと受け入れてもらえません。他にもそのような大学があります。なので、要項をしっかり読んで点数を取得して申請してください。

もう1つ準備として大切なことはビザの手続きはもちろんですが、現地に行くまでの交通手段や現地での移動手段、SIMカードについて入念に調べておくことです。ビザは国によって2か月以上かかります。また、交通手段や予約の仕方は日本と違うので、現地についてからなんとかしようと思っているとバスを逃したり、乗り口が分からず迷子になったりします。下調べは入念にしていた方がいいです。

余力がある人は現地の文化や歴史などを学んでいくといいかもしれません。留学中に調べようと思ってもなかなか自分のことで精一杯で余裕がないかもしれません。留学先のことで事前に知っておくといい情報は、バスの乗り方だと思います。バスのカードを作る方法やバスの支払いのシステムなど日本と違うことが多くて、僕は初日に苦戦しました。その他にも気になることは全て大学のサポートチームに連絡するか留学生のための学生チームに相談するといいと思います。ネットで調べるよりもより有力な情報が得られると思います。

留学中はたくさんのことをしました。スポーツはもちろん旅行はたくさんしたらいいと思います。友達の輪も広がりますし、コミュニケーションがたくさん取れます。僕は教育を専攻しているので、メールでアポイントメントを取って地域の小学校、中学校、高校と見学をさせてもらったりもしました。また僕の場合は大学に協賛してもらい言語カフェを主催しました。言語を学びたい学生を大学のホームページや留学生全体のグループ(200人ほど)から募集し、ドイツ語や韓国語などを他の留学生に先生をお願いして教えてもらいました。毎回20人程度の学生に参加していただきました。2週に1回程度の頻度ですが、3か月ほど継続できたことはよかったです。大学は留学生の取り組みに非常に積極的です。やりたいことは言ったもの勝ちです。それまでの準備などは全て自己責任ですが、達成感はその分大きいと思います。もちろん既存のイベントのサポーターなどをしてもいい経験になると思います。

もう1つ熱心に取り組んだことは、スウェーデン語の学習です。スウェーデンは国民のほとんどが流暢な英語を話しますが、移民の方も多く公用語はスウェーデン語です。なので、スーパーやお店ではスウェーデン語の表記がほとんどです。僕はせっかく英語圏ではない国に来たのだから、言語を将来教える身としてスウェーデン語を学ぶことに挑戦しました。そのために大学とは別にスウェーデン語学校に通いました。本来は移民としてスウェーデンに移住をしてきた人や仕事を得るためにスウェーデン語を学ぶ人々の施設ですが、留学生として特別に入校を許可していただきました。私の大学は週に2回程度しか授業がなかった(1回分の課題が多いのであまり休める時間はないのですが)ので、週に3回はスウェーデン学校に通い1日4時間の座学と自宅での練習を6か月続けました。最終的にはスウェーデン国内のスウェーデン語における国家試験に合格しました。スウェーデン人の友達とスウェーデン語で話したりしたことは今でも楽しい思い出です。

留学中はたくさんの苦悩がありました。しかし、1番大きな影響があった問題は言語だけでした。英語が話せるようになったのは留学をして3か月が経ってからです。それまではボディランゲージでなんとか会話をしていましたが、話せるようになってからはもう悩むことはなくなりました。授業の英語は専門的でわからない場面も多かったですが、日常会話では大きく困ることはありませんでした。ある程度、日常会話ができたら十分だというマインドセットが身についたのかもしれません。人間関係も良好で本当に環境に恵まれていたと感じます。

留学を始めてすぐに動画編集を始めました。これは将来に活かしたいことにつながる話ですが、私は動画で英語の楽しさを伝えられる英語の先生になりたいと考えています。そのためにたくさん動画をスウェーデンで撮って動画の中で英語を話して、編集をしていました。今になって英語がある程度話せるようになりましたが、留学に行く前は自分の英語に自信がありませんでした。僕と同じような生徒や学生が少しでも僕の成長を動画で感じて勇気をもらってくれたら嬉しいなと思っています。

それはこれからもひとりの学習者としてこの留学の経験を1人でも多くの人に届けたいと思っています。卒業後は金沢市内の私立英語教員として教壇に立つ予定です。僕は留学という選択肢を教師になる前に選んで本当に良かったと思います。留学中には僕自身の未熟さを痛感すると同時に、自分の英語としっかり向き合うことができました。それは教員として十分な自信になったと感じています。

今までの学びを生徒たちに還元できるような英語教員になりたいです。留学を通して、英語だけでなく、文化の違いや価値観の違いについて異文化コミュニケーションを通して肌で感じることができました。その経験は日本ではあまりできることではないと思います。

今でも留学先で出会った友達とは仲が良く、僕の帰国後すぐにヨーロッパから友人が遊びにきてくれました。また僕も彼らに会いにヨーロッパに1か月ほど滞在する予定です。今は留学前以上に日本語をオンラインで教えるアルバイトをして旅行用の資金を稼いでいます。本当に留学前の自分では考えられないくらい行動力や決断力、フットワークの軽さが増したような気がします。それだけ自分のしたいことに正直になれているのだと感じます。

最後に後輩の皆様へメッセージを送ります。不安な要素は考え始めたらキリがありません。まずは自分のやりたいことを自分の意思で選んでやってみてください。僕も北欧という僕のことを誰も知らない土地でゼロから人間関係を築いて、ゼロからイベントを企画して、ゼロから現地の言葉を学びました。そのおかげで自分の本当の気持ちに気づけました。全てが初めてでも何も恐れることはないと思います。何か自分のやりたいことのために目標を決めてスモールステップで進めていけばいいと思います。その目標はどれだけ小さなことでも大きなことでも大丈夫です。新たな土地で自分の意思で決めてやりきったことはあなたの経験となり自信になります。失敗も苦悩ももちろんあることでしょう。しかし、それもやってみた人にしかわからない景色だと思って楽しんでください。あなたの次の1歩を心より応援しています。頑張ってください。

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